ボランティアセンター

能登豪雨の被災地・珠洲(すず)の災害ボランティア活動に参加しました。現地は、まだまだ支援が必要な状況でした。初心者にもできる作業がたくさんありました。ただ、作業を始めるまでは、どのような活動か知らず不安な点もありました。そこで、こういった活動に興味のある方の参考になればと思い、私の1日をレポートすることにしました。

※作業内容やバスの運行状況は日々変化しているので、実際に参加を検討されている方は公式サイトで情報をチェックしてくださいね。

チームふくい

私が参加したのは、福井県が運営するボランティアバスに乗って、能登豪雨の被災地・珠洲に向かうチームです。その名も「チームふくい」。現地までの荒れた道を運転する自信がなかった私にとって、このバスの運行が災害ボランディア参加への後押しとなったことは間違いありません。

ボラバスの1日

当日のスケジュールはざっくりこんな感じでした↓↓↓

5時頃:福井県立大学発
9時頃:珠洲ボランディアセンター到着(オリエンテーション後に作業開始)
15時頃:片付け
16時頃:珠洲ボランディアセンター発
20時頃:福井県立大学で解散

定員が20名となっているため、バスはゆったりと座れます。途中、サービスエリア、能登さとやま空港の2箇所でトイレ休憩がありました。

「できること」を、心を込めてやる。

珠洲ボランティアセンターではヘルメットや手袋といった装備品の貸し出しがありました。作業に必要な道具や救急用品も揃っていました。もちろん、基本的には装備品は自己責任で携行する必要がありますが(募集要項参照)、1つ忘れたからといって追い返されるような状況はないので、安全に作業できるよう、ベテランそうな人に声をかけて教えてもらうと良いでしょう。現状はリュック一つで参加できる状態です。携行した荷物の中身は、主にマスク、安全メガネ、手袋、長靴、着替えといった着用品と補給食でした。

参加者の中には、現場仕事に慣れている感じの力持ちの男性や、2tトラックを運転できる方、災害ボランティアのベテランさんなどがおられました。こういった方は、得意分野に応じて前に立ち、的確な指示を出してくれました。また「何かできることがあれば」という気持ちだけで参加した私のような初心者の方も少なくありません。出発前は「足手纏いにならないか」という心配が頭をよぎりましたが、やることは山ほどありました。被災地にはまだまだ人の手が必要だと知り、思い切って参加して良かったと感じています。即席のチームが力をあわせて、それぞれが、できることを、心を込めてやる。そんな、充実した貴重な経験をさせていただきました。

荷物と心の整理に寄り添う

この日のチームふくいは全員が1つのお宅に配属されました。1m以上浸水した倉庫の、廃棄物処理と泥出しがご依頼内容でした。こういった依頼はすべて珠洲ボランティアセンターで取りまとめられ、お宅に訪問する前にチーム全員に連絡されます。現地に到着すると速やかに作業を開始できるよう、組織的な運営が行われているんですね。ワーカーによる現場撮影や作業したお家についての投稿は禁止されているため差し控えますが、県のホームページでその様子が紹介されています。

泥の中から出てくるものの多くは廃棄することになってしまいます。とはいえ、大切に保管されてきた思い出の品や、長年取り組まれてきた趣味の道具などもありますので、慎重に聞き取りながらの作業となります。引越しを経験された方ならおわかりになると思いますが、荷物の仕分けって、通常時であって精神的な負担を強いられる作業ですよね。それを、大量に、短時間で、ショッキングな状況の中で実行しなくてはなりません。ボランティアに求められるのは、荷物と心の整理に寄り添う作業だということを知りました。最後は倉庫の床を何度も水で流したのですが、次第に本来のコンクリートの床が見えてきた時には、私の気持ちも軽くなりました。

ちょっとしたサプライズ!?

作業途中、思いがけない出来事も。なんと、福井県知事の杉本たつじ氏が現地視察に来られたのです!かなりタイトなスケジュールで動かれていたそうで、驚く私たちにエールを送って帰っていかれました。当日の様子が投稿されていたので、Xのリンクを貼っておきます^^

参考情報

こちらは、現地で「え!?」とならないための参考情報ですが、珠洲では現在、個人ボランディアの受け入れは行っていないそうです。個々に連絡するとセンターの連絡網がパンクしてしまいます。作業者の安全確保やトラブル防止の観点から、急に押しかけては逆に迷惑になってしまいます。よかれと思った行動が迷惑にならないよう、珠洲市ボランティアセンター(その他、訪問先の公式情報)のお知らせなどをよく確認して応募する必要がありそうですね。

現地での注意点は当日のオリエンテーションで説明されますが、勝手に家主さんの物を廃棄したり、ボランティア同士で喧嘩をしたり、写真を撮りまくってSNSにアップしたりといった行為は禁止されています。わざわざ注意されるくらいなので、こういった前例があったのかもしれませんね。緊迫した現場で根気を要する作業を行います。イライラして思わぬ行動を取らないように注意したいですね。

また、現地は被災地です。断水、停電、休憩場所がない可能性を想定しましょう。持っていった水をしっかり飲んで、無理せず、できる範囲で作業しましょう。私の場合は、昼休みの他にも、午前と午後に1回ずつ小休憩をとりました(現場のリーダーから「休憩〜!」と号令あり)。飲み水は、珠洲ボランティアセンターからも家主さんからもご提供いただき、暑い中でも安全に作業でき感謝しています!また、ボランティアセンターには手を洗う水場があり、更衣室(簡易個室)も用意されていましたので、サッパリした姿で帰りのバスでは熟睡させていただきました。

福井ボランティアバスは予約制です。空席状況などLINEで配信されていますので、興味のある方は「ボランティアバンク」にあらかじめ登録しておくとよいかもしれません。LINEでは「この日は人数が足りない!」といったメッセージも届きます。私は帰りのバスで次回の予約を試みたのですが、週末はすでに席が埋まっていました。平日に時間が作れたら、また応募してみようと思います。

参加後記

先週のチャリティートレランに引き続き、能登に応援の気持ちを届ける週末となりました。今年は開業直後ということもあり、震災以来、何かお手伝いしたいと思いながら動けていなかったので、能登への想いを行動に移せたことは良かったと思います。少しでも家主さんのお役に立てていたなら、これ以上に嬉しいことはありません。ボランティア、チャリティー、募金、情報発信など、想いを届ける方法は本当にいろいろありますね。これをきっかけに、また何らかのかたちで活動に参加したいと考えております。以上、福井県災害ボランティアバス「チームふくい」への参加レポートでした。

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